アジのさばき方|下処理・三枚おろし・フライ用の開き。まな板のアジと、刺身・アジフライ・南蛮漬けのイラスト

アジのさばき方
釣ったアジの下処理から三枚おろし・フライ用の開きまで

釣ったアジのさばき方を、下処理(ウロコ・ゼイゴ・頭・内臓)から三枚おろし、フライ用の背開き、小アジ・豆アジの下ごしらえまで順にまとめます。翌日にさばくときの保存と、アニサキスの注意も。

釣ったアジは、まず「ウロコ・ゼイゴ・頭・内臓」を取る下処理をして、そこから料理に合わせて三枚おろしか開きにします。手順は多く見えますが、アジは身がやわらかく骨も細いので、何尾かさばくうちに手が覚えます。

この記事では、釣って持ち帰ったアジを前提に、下処理から三枚おろし、フライ用の背開き、小アジ・豆アジの下ごしらえまでを順に説明します。生で食べるときに気をつけたいアニサキスについても、最後にまとめました。

結論:料理に合わせて、さばき方を選ぶ

料理

向くアジの大きさ

さばき方

刺身・たたき・なめろう

15cm以上

下処理のあと三枚おろし

アジフライ

15〜25cm

下処理のあと背開き

塩焼き

15〜25cm

ゼイゴとエラ・内臓を取り、丸ごと焼く

唐揚げ・南蛮漬け

15cm未満(小アジ・豆アジ)

エラと内臓を指で取る。豆アジはゼイゴも取らなくてよい

30cmを超える尺アジは、刺身にもフライにも向きます。身が厚いぶん、腹骨と小骨をていねいに取ります。

釣ったアジを持ち帰ったら、まずすること

アジは鮮度が落ちやすい魚です。釣ったら氷と海水を入れたクーラーボックスで冷やし、持ち帰ったらできるだけ早くさばきます。

氷を入れたクーラーボックスで冷やしたアジのイラスト
釣ったアジは氷と海水で冷やして持ち帰る

その日のうちにさばけないときは、内臓とエラだけでも先に取ってから、水気を拭き、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫に入れます。内臓を残したままにすると、身が傷みやすくなるうえ、アニサキスが内臓から身へ移ることがあるためです。

  • 下処理をして冷蔵した場合、刺身で食べるなら翌日まで、加熱するなら2〜3日が目安です。
  • それより長く置くときは、三枚おろしや開きにしてから冷凍します。

さばく前に用意するもの

まな板の上の出刃包丁と骨抜き、キッチンペーパーと水を入れたボウルのイラスト
包丁・まな板・骨抜き・キッチンペーパー
  • 包丁:出刃包丁があれば理想ですが、家庭の三徳包丁でも十分にさばけます。よく研いだものを使うと身がつぶれません。
  • まな板:魚のにおいが移らないよう、使う前にぬれ布巾で拭いておきます。
  • キッチンペーパー:身の水気を拭くのに、たくさん使います。
  • 骨抜き:刺身にするとき、中央の小骨(血合い骨)を抜くのに使います。
  • ボウルと流水:内臓と血合いを洗い流します。

アジの下処理:ウロコ・ゼイゴ・頭・内臓を取る

まず、どの料理にも共通する下処理です。右利きの人は、頭を左、腹を手前に置きます。

アジの体の部位と、包丁を入れる位置の図。番号は下のリストと対応
  1. エラぶた:エラを覆うふた。小アジはここを開いてエラを指でつまみます。
  2. 胸ビレ:頭を落とすときの目印です。
  3. 頭を落とす位置(赤い点線):胸ビレのすぐ後ろです。
  4. 腹骨:腹の内側を囲む薄い骨。三枚おろしのあとに、すき取ります。
  5. 腹を切り開く範囲(赤い点線):頭の切り口から肛門までです。
  6. 肛門:内臓を取るとき、ここまで腹を切り開きます。
  7. ゼイゴ:体の横の線(側線)に沿って並ぶ硬いうろこ。尾に近いほど大きく硬くなります。
  8. 尾の付け根:ゼイゴを取り始める所で、三枚おろしで身を外すときに包丁を差し込む所です。

下処理の手順は、次のとおりです。

  1. ウロコを取る:包丁の刃を立て、尾から頭に向かって軽くこそげます。アジのウロコは細かく、鮮度のよいものほどしっかり付いています。胸ビレのまわりは、ヒレを持ち上げて取ります。
  2. ゼイゴを取る:尾の付け根から包丁を寝かせて入れ、刃を小さく上下に動かしながら、胸ビレの近くまですき取ります。ゼイゴは、側線に沿って並ぶ硬いうろこで、尾に近いほど大きく硬くなります。裏側も同じように取ります。
  3. 頭を落とす:胸ビレのすぐ後ろから、頭に向かって斜めに包丁を入れ、中骨に当たったら刃を立てて切り落とします。裏返して反対側からも同じように入れると、きれいに落ちます。
  4. 内臓を取る:腹の下側を、肛門のあたりまで切り開き、包丁の先で内臓をかき出します。
  5. 血合いを洗う:中骨に沿って付いている黒っぽい血のかたまり(血合い)に包丁の先で切れ目を入れ、流水で歯ブラシや指を使って洗い流します。
  6. 水気を拭く:キッチンペーパーで、腹の中までしっかり水気を拭き取ります。ここで水気が残ると、生臭さの元になります。
下処理が終わったら、まな板と包丁を一度洗い、拭いてから次に進みます。血やウロコが残っていると、身に付いて生臭くなります。

アジの三枚おろし:刺身・たたき・なめろうに

三枚おろしは、上の身・下の身・中骨の3つに分けるおろし方です。刺身やたたき、なめろうにするときはこれにします。

三枚におろしたアジ。皮側の身、中骨、身側の身が並んだイラスト
三枚おろし:上の身・中骨・下の身に分かれる
  1. 下の身の腹側に包丁を入れる:尾を左、腹を手前に置き、頭のほうから尾に向かって、中骨の上をなぞるように浅く切り込みを入れます。
  2. 下の身の背側に包丁を入れる:魚を半回転させ、背を手前にして、尾から頭に向かって中骨に沿って切り込みを入れます。
  3. 身を外す:尾の付け根に包丁を差し込み、刃を頭のほうへ滑らせて、中骨から身を切り離します。
  4. 上の身も同じようにおろす:裏返して、今度は背側、半回転して腹側の順に切り込みを入れ、尾から身を外します。
  5. 腹骨をすく:身の腹側にある薄い骨(腹骨)の付け根に包丁を入れ、骨をすくい取るように薄くそぎます。
  6. 小骨を抜く:身の中央に並ぶ小骨(血合い骨)を、骨抜きで頭のほうへ向けて1本ずつ抜きます。指で身をなぞると位置が分かります。
  7. 皮をむく(刺身にするとき):頭側の皮の端を指でつまみ、尾に向かって引くと、アジの皮は手でむけます。
「下の身は腹→背、上の身は背→腹」と覚えると、包丁を入れる順番に迷いません。最初は身に骨が少し残っても大丈夫です。数をこなすと、中骨に包丁が当たる感覚がつかめてきます。
鯵(あじ)のさばき方[入門編]さばけるチャンネル(日本さばけるプロジェクト)(YouTube)

フライ用の背開き:アジフライに

アジフライは、背から開いて1枚につなげた形にします。尾を付けたまま開くと、揚げたときに形がきれいに残ります。

尾を付けたまま開いたアジと、パン粉のイラスト
開いたアジ(この絵は頭を付けたまま開いた形)
  1. 下処理をする:ウロコ・ゼイゴを取り、頭を落として内臓を取り、水気を拭きます(頭を付けたまま開く方法もあります)。
  2. 背から包丁を入れる:背を手前にして、頭側から尾に向かって中骨の上に沿って包丁を入れ、腹の皮1枚を残して開きます。
  3. 中骨を外す:開いた身を返し、中骨の下に包丁を入れて、尾の付け根で中骨を切り離します。
  4. 腹骨をすく:左右の腹骨を、三枚おろしと同じように薄くすき取ります。
  5. 小骨を抜く:中央の小骨を骨抜きで抜きます。
腹から開く「腹開き」でも作れますが、背開きのほうが身がふっくらと見え、フライの形が整います。干物は腹開きにすることが多い開き方です。
鯵(あじ)のさばき方 フライ用 背開きさばけるチャンネル(日本さばけるプロジェクト)(YouTube)

小アジ・豆アジの下ごしらえ:唐揚げ・南蛮漬けに

サビキ釣りでたくさん釣れる10cm前後の小アジや豆アジは、包丁を使わずに指で下ごしらえができます。骨まで揚げて食べるので、三枚おろしは要りません。

木のトレーに並んだ小アジのイラスト
サビキ釣りでよく釣れる10cm前後の小アジ
  1. ウロコを落とす:ボウルに水を張り、指の腹で尾から頭へこするか、包丁の背でなでて落とします。
  2. ゼイゴを取る:10cmを超える小アジは、尾側から包丁で薄くすき取ります。豆アジは揚げると気にならないので、取らなくてもかまいません。
  3. エラと内臓を取る:エラぶたを開いてエラを指でつまみ、そのまま腹のほうへ引くと、内臓がいっしょに取れます。取りにくいときは、腹に小さく切れ目を入れて指でかき出します。
  4. 洗って水気を拭く:腹の中を流水で洗い、キッチンペーパーでしっかり水気を拭きます。
豆アジを下処理せずに丸ごと揚げる人もいますが、内臓の苦みが残り、傷みも早くなります。エラと内臓だけでも取っておくと、仕上がりがよくなります。

塩焼きにするときの下ごしらえ

塩焼きは、頭を付けたまま丸ごと焼きます。ウロコとゼイゴを取り、エラと内臓を取ったら、水気を拭いて焼く直前に塩を振ります。盛り付けたとき上になる側(頭が左の面)には包丁を入れないようにし、内臓は裏側の腹から取ると見た目がきれいです。

頭を左、腹を手前にして皿に盛ったアジの塩焼きのイラスト
塩焼きは頭を左、腹を手前に盛り付ける

生で食べるときの注意:アニサキス

アジには、アニサキスという寄生虫の幼虫がいることがあります。長さ2〜3cmほどの白い糸のような虫で、生きたまま食べると、激しい腹痛を起こす食中毒(アニサキス症)の原因になります。

厚生労働省は、次のような予防のしかたを示しています。

  • 新しい魚を選び、内臓を早く取り除く:魚が死んで時間がたつと、アニサキスが内臓から身へ移ることがあります。釣ったアジを早く下処理するのは、このためでもあります。
  • 内臓を生で食べない。
  • 目で見て取り除く:三枚おろしにしたら、身を明るい所でよく見て、白い糸のようなものがあれば取り除きます。
  • 冷凍する:−20℃で24時間以上冷凍すると死滅します。家庭の冷凍庫は−18℃前後のものが多いので、心配なときは加熱して食べるのが確実です。
  • 加熱する:70℃以上、または60℃なら1分の加熱で死滅します。

一般的な料理で使う酢でしめる、塩でしめる、醤油やわさびを付けるといった方法では、アニサキスは死にません。食べたあとに激しい腹痛が出たときは、早めに医療機関を受診してください。

よくある質問

釣ったアジを翌日にさばくには?

釣った日のうちに、内臓とエラだけでも取っておきます。水気を拭いてキッチンペーパーで包み、冷蔵庫に入れておけば、翌日に三枚おろしや開きにできます。生で食べるなら翌日までに食べ切るのが目安です。

小アジは下処理が必要ですか?

エラと内臓は取るのがおすすめです。唐揚げや南蛮漬けにする10cm前後の小アジなら、包丁を使わず指で取れます。ゼイゴは、10cmを超える小アジなら取り、豆アジは取らなくてもかまいません。

三徳包丁でもアジはさばけますか?

さばけます。アジは身がやわらかく骨も細いので、よく研いだ三徳包丁なら三枚おろしも開きもできます。頭を落とすときは、中骨の硬い所に無理に力をかけず、刃元で押し切るようにします。

アジの開きは背開きと腹開き、どちらがいいですか?

アジフライには背開き、干物には腹開きがよく使われます。背開きは身がふっくら見え、腹開きは内臓を取るのといっしょに開けるので手早くできます。

刺身にするとき、アジの皮は包丁でひきますか?

アジの皮は、頭側の端を指でつまんで尾に向かって引くと、手でむけます。うまくむけないときは、皮を下にして尾側から包丁を寝かせて入れ、皮を引きながら身から切り離します。