川魚の下処理|鮎・ヤマメ・イワナ・ニジマスのぬめり・内臓・血合い。板に並べた4種の川魚のイラスト

鮎・ヤマメ・イワナ・ニジマスの下処理
ぬめり取り・内臓と血合いの取り方、川魚を生で食べない理由

渓流や川で釣ったアユ・ヤマメ・イワナ・ニジマスの下処理をまとめます。ぬめりの取り方、アユの塩焼き用の下処理、ヤマメ・イワナの内臓と血合いの取り方、つぼ抜き、冷凍保存、川魚を生で食べてはいけない理由まで。

渓流や川で釣ったアユ・ヤマメ・イワナ・ニジマスは、海の魚よりも下処理がかんたんです。ウロコはほとんど気にならず、ぬめりを取って内臓と血合いを取れば、塩焼きや唐揚げにすぐ使えます。

この記事では、川魚の下処理を、ぬめり取り、アユの塩焼き用の下処理、ヤマメ・イワナ・ニジマスの内臓と血合いの取り方の順にまとめます。川魚を生で食べてはいけない理由と、冷凍保存のしかたも紹介します。

結論:魚と料理で下処理を選ぶ

魚

下処理

向く料理

アユ

ぬめりを取り、腹を押して糞を出す。内臓は残す

塩焼き・天ぷら・甘露煮

ヤマメ・アマゴ

ぬめりを取り、エラ・内臓・血合いを取る

塩焼き・唐揚げ・ムニエル

イワナ

ぬめりを取り、エラ・内臓・血合いを取る

塩焼き・骨酒・唐揚げ

ニジマス

エラ・内臓・血合いを取る。大きいものは三枚おろし

塩焼き・ムニエル・フライ

板の上に並べたアユ・ヤマメ・イワナ・ニジマスのイラスト
上から、アユ・ヤマメ・イワナ・ニジマス

釣ったら、まず締めて冷やす

川魚も、釣ったあとの扱いで味が変わります。釣ったらすぐに締めて、氷を入れたクーラーボックスで冷やして持ち帰ります。渓流では、保冷剤や凍らせたペットボトルを多めに持っていくと安心です。

締め方と冷やし方は、釣った魚の締め方と血抜きでまとめています。

用意するもの

道具

使い方

包丁(小さめでよい)

腹を切る、エラを切る

塩

ぬめりを取る

古い歯ブラシ・スプーン

背骨の下の血合いをこすり取る

割り箸

つぼ抜き(腹を切らずに内臓を抜く)

キッチンペーパー

水気を拭く

ぬめりを取る

川魚の表面には、ぬるぬるしたぬめりがあります。ぬめりは生臭さのもとになるので、最初に取ります。

  1. 塩をまぶす:ボウルに魚を入れ、塩をひとつかみまぶします。
  2. こすって洗う:手で魚の表面をやさしくこすり、ぬめりを浮かせてから流水で洗い流します。
  3. 水気を拭く:キッチンペーパーで水気を拭きます。
ボウルの中で塩をまぶしたヤマメのイラスト
塩をまぶしてこすり、流水でぬめりを落とす
アユは身がやわらかいので、強くこすりすぎないようにします。ヤマメやイワナは、ぬめりが多いので、2回ほどくり返すときれいに取れます。

アユの下処理:塩焼きは内臓を残す

アユは、内臓を取らずに丸ごと塩焼きにするのが一般的です。アユの内臓は、ほろ苦さとうまみがあり、塩焼きの味の一部になります。ただし、お腹の中の糞(ふん)だけは出しておきます。

  1. ぬめりを取る:塩でやさしくこすって洗います。
  2. 糞を出す:アユの頭を上にして持ち、腹を胸ビレのあたりから肛門に向かって、指で軽く押し下げます。肛門から糞が出てきます。
  3. 洗って拭く:流水で洗い、水気を拭きます。

天ぷらや甘露煮にするときも、同じ下処理で使えます。内臓の苦みが苦手なときは、ヤマメと同じように内臓を取ってもかまいません。

串の打ち方と化粧塩、炭火やグリルでの焼き方は、鮎の塩焼きでまとめています。

アユの糞の出し方は、次の動画で見られます。

ヤマメ・イワナ・ニジマスの下処理:内臓と血合いを取る

ヤマメ・イワナ・ニジマスは、エラと内臓、背骨の下の血合いを取ります。

  1. 腹を切る:肛門から包丁を入れ、エラの下まで腹を切り開きます。
  2. エラと内臓を取る:エラの付け根を切り、エラごと内臓を引き出します。
  3. 血合いを取る:背骨の下にある、黒っぽい血のかたまりのような筋(血合い)に、包丁の先で切れ目を入れ、歯ブラシやスプーンでこすり取ります。
  4. 洗って拭く:流水で腹の中をきれいに洗い、キッチンペーパーで水気をしっかり拭きます。
腹を開いたイワナと、血合いを取る歯ブラシとスプーンのイラスト
背骨の下の血合いは、歯ブラシでこすり取る
血合いが残ると、生臭さと苦みが出ます。下処理の中でいちばん大事なところです。

川魚の内臓と血合いの取り方は、次の動画で見られます。

腹を切らない「つぼ抜き」

塩焼きを見た目よく仕上げたいときは、腹を切らずに内臓を抜く「つぼ抜き」という方法もあります。

  1. 肛門の近くを切る:肛門の少し手前で、腸を切るように小さく切れ目を入れます。
  2. 割り箸を差し込む:エラぶたから割り箸を2本、左右のエラの外側から腹の奥まで差し込みます。
  3. ねじって引き抜く:割り箸でエラと内臓をはさみ、数回ねじりながら引き抜きます。
  4. 洗う:腹の中に水を流して、血合いを洗い流します。

大きなニジマスは三枚おろしに

30cmを超えるニジマスは、ムニエルやフライにするなら三枚におろします。手順はアジの三枚おろしと同じで、腹骨をすき取り、中央の小骨を骨抜きで抜きます。

川魚を生で食べてはいけない理由

アユ・ヤマメ・イワナ・ニジマスなど、川や湖の魚は、刺身などの生では食べません。中心まで十分に火を通して食べます。

  • 寄生虫がいることがある:アユなどの淡水魚には、横川吸虫という寄生虫の幼虫がいることがあり、生で食べると感染します(食品安全委員会の文献調査報告書)。
  • サケやマスの仲間も注意:サクラマスなどサケ属の魚からは、日本海裂頭条虫という寄生虫に感染することがあります。56℃以上の加熱か、−20℃以下で24時間以上の冷凍で死にます。
  • 包丁とまな板を洗う:川魚をさばいたあとの包丁やまな板は、よく洗ってから、ほかの食材に使います。

冷凍保存のしかた

すぐに食べないときは、下処理をしてから冷凍します。

  1. 水気をしっかり拭く:腹の中まで、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。
  2. 1尾ずつラップで包む:空気に触れないよう、ぴったり包みます。
  3. 保存袋に入れて冷凍する:空気を抜いて冷凍庫に入れ、2〜3週間を目安に使い切ります。

解凍は、冷蔵庫でゆっくり行います。塩焼きにするなら、半解凍のうちに塩を振って焼いてもかまいません。

まとめ

アユ・ヤマメ・イワナ・ニジマスの下処理は、ぬめりを取って、内臓と血合いを取るのが基本です。アユの塩焼きだけは内臓を残して糞を出します。下処理さえできれば、釣った川魚を、その日のうちに家族で味わえます。

  • ぬめり:塩をまぶしてこすり、流水で洗う
  • 内臓と血合い:腹を開いてエラと内臓を取り、背骨の下の血合いを歯ブラシでこすり取る。アユの塩焼きは糞だけ出す
  • 食べ方:川魚は生で食べず、中心まで火を通す
川辺のキャンプで、たき火で焼いたアユの塩焼きを家族で食べるイラスト
釣ったその日に、川辺で焼きたてを

締め方と持ち帰り方、下処理したあとの焼き方は、次の記事で紹介しています。

よくある質問

アユの内臓は食べても大丈夫ですか?

塩焼きにして、中まで十分に火を通せば食べられます。アユの内臓はほろ苦く、塩焼きの楽しみの一つです。苦みが苦手な人は、内臓を取ってから焼いてもかまいません。

釣ったヤマメやイワナは、釣り場で内臓を取ったほうがいいですか?

持ち帰るまでに時間がかかるときは、釣り場で内臓とエラを取っておくと、傷みにくくなります。取ったあとは水気を拭き、袋に入れて氷で冷やします。

血合いを取らないとどうなりますか?

生臭さと苦みが残ります。塩焼きのように丸ごと食べる料理ほど、味に出やすくなります。歯ブラシでこすると、かんたんに取れます。

釣り堀のニジマスなら、刺身で食べられますか?

釣り堀や川で釣ったニジマスは、生で食べず、塩焼きやムニエルなど火を通して食べます。お店で売られている生食用のサーモンやトラウトは、生で食べられるように育て方や管理がされたものです。

アマゴもヤマメと同じ下処理でいいですか?

同じです。アマゴはヤマメに近い魚で、体の小さな赤い点が目印です。ぬめりを取り、エラ・内臓・血合いを取って使います。